群馬幹線

(旧電線路名:群馬線)

(建設:群馬電力)

群馬幹線は、かつて実在の群馬電力が建設した。
原型の送電塔の形についてだが、これは猪苗代旧幹線の原型と同じ構成だったと考えられた。
なお、鋼材の種類についても確認が撮れなかったので不明だが、猪苗代旧幹線の原型の送電塔とほぼ同じ作りであるため、アメリカのカーネギー製鋼会社製かと思われた。
確認できなかったが、恐らく主柱材には、CARNEGIEの刻印があったのではないだろうか?
アメリカ製の鋼材を使用したものは、独特の個性ありきものが多かった。
群馬幹線の初代の送電塔は猪苗代旧幹線に次ぐもので、当初110kVで運用された送電線(現在154kV運用)であり、架空地線の条数も、当時としては珍しい2条地線であった。
しかし群馬幹線の原型の送電塔の撮影は、個人の撮影は全てできずに終了している。
現存についてだが、これは2012年頃までは、まだ埼玉県の東松山にも当時の原型鉄塔らしきもの(群馬幹線も途中から送電電圧を上げたので、一部の腕金は改造されたものによる。)が残っていたようなのだが、そちらも一切気が付くことができなかった。
なお、群馬幹線の当時の写真については、かつて実在の群馬電力が発行した「第一期 竣成記念帖 群馬電力 大正11年12月25日印刷」と「東京電燈株式會社開業50年史 昭和11年8月23日発行」にもしっかりと載っており、見ることができる。
できれば個人の撮影としては、主柱材に書かれていたであろうカーネギー(CARNEGIE)の文字も見てみたかった。

偶然入手した群馬幹線の竣成記念帖
こちらには当時の金井発電所の建物や途中の小前田開閉所、吉祥寺開閉所の写真、そして終点の川崎変電所までの写真が載っていた。
なお、アメリカのカーネギー製鋼会社の鋼材を使用した群馬幹線の原型鉄塔は、川崎変電所までずらっと並んでいたようである。

ちなみにこちらの記念帖は、後もう1種類ある。
大正10年(1921年)10月発行で、群馬幹線が竣工する前のものとなっており、こちらには組み立て中の群馬幹線の送電塔の写真があった。

金井発電所兼変電所前にて
2017年11月3日の文化の日に撮影に行ってみたが、既に群馬幹線の原型の送電塔がなくなっていることに気が付かされた。T_T
なお、青で囲った送電塔は、上毛幹線の最終鉄塔(188号)である。

続いて老番方面側も見てみれば、基礎を残すのみで、全て綺麗さっぱりなくなっていた。

さらに奥の方へ行ったら、建て替え工事段階中で金井発電所より送電完全停止中の群馬幹線の引き留め鉄塔がいた。:(
数か月前にでも早く行けっておけば撮れたことだろうが・・・うーん、なんともタイミングが悪すぎる
(今では、鉄塔カードなるものも登場しているが・・・その中で群馬幹線の旧鉄塔も大正時代物の歴史的鉄塔として、カードになることはできなかったのだろうか)
ちなみに、一番撮りたかった群馬幹線の原型鉄塔(←完全なる原型とは言えない。)は以下の通りです。
第1位はこちら
↑やはり金井発電所付近の耐張鉄塔はよさげだったね〜
続いて、第2位はこちら
↑こちらは現状、ゴルフ場の中まで綺麗さっぱりと建て替え及び除却が完璧にされているようでした。
いずれとも現存していません。

↑ちなみに、群馬幹線の初代鉄塔の参考写真はこんな感じである。(写真は片品川線のもの)
この記事の冒頭でも述べたが、当初の鉄塔は11万ボルト設計であったそうな(←東京電燈株式會社開業50年史 昭和11年8月23日発行を参考)
最近まで残っていたものについては、恐らく154kV化されているので、猪苗代旧幹線のように多少の腕金の幅広などの改造などはされているようだった。
しかし主柱材は当時から変わっていないようで、11万5千ボルト系統であったことはそこからうかがえた。(←ストリートビュー画像で確認)
ちなみに、群馬幹線の鉄塔の建設は、猪苗代旧幹線よりも少し若い大正11年(1922年)であったようだ。

群馬幹線も東京近郊に近づくと、途中、東京都江戸川区を縦断する小松川線への分岐をしながら(いわばこちらも支線分岐のようなものがあり、現状は京北線、小松川線の順で、最終地点は東京都江戸川区の小松川変電所に向かっている。)
現在でいうルートでいえば、武蔵野連絡線(一部除却済み)→武蔵野線→北多摩線→川世線→南武線の順で、最終目的地である川崎変電所へ向かっている。
なお、送電塔に関しては、特に南武線区間の建て替え時期が相当早かったようである。
当初はアメリカのカーネギー製鋼材を使用した送電塔が、途中の小前田や吉祥寺の開閉所を経て、川崎変電所まで続いていたようである。
しかし南武線区間については、相当送電塔の建て替え時期が早かったようで、こちらは大正11年に送電塔が竣工してから、そのわずか数年後の昭和元年には、国産の送電塔に建て替えられたようだ。

前へ     次へ

ゴロンディーナーのちょっとした送電線の鉄塔記録 トップに戻る

※当サイトは各電力会社・その他の企業とは一切関係ございません。

※当サイトの内容、文章、画像等の無断転載・無断使用を禁止します。
最近、当サイトに掲載中の画像が個人ブログやYahoo知恵袋等へ無断転載される事案が多発しています!!
無断転載は完全な著作権侵害となりますから、必要な方は必ず当サイトメールフォームよりご連絡下さるようお願い致します!
(当サイト内の内容をスマホやPCでスクリーンショットをして、それを公衆掲示板やツイッター等のSNSに投稿する行為も同様です!!固くお断り致します。)


inserted by FC2 system