猪苗代新幹線・原型箇所・埼玉編
(現況:2019年現在、758号を除く他は、全て建て替え済み)
猪苗代新幹線の嵩上げされていない完全なる原型鉄塔は、埼玉県宮代町の東武動物公園付近に残っていた。
老番の北側にある東武動物公園側から見て、I吊懸垂鉄塔755号、耐張鉄塔756号、耐張鉄塔757号(ここは東京北線3009号との同時交差併架・紅白鉄塔)、耐張鉄塔(758号)の順で続く。
なお、756号の耐張鉄塔については、上部の部材取り換え時に、架空地線支持の三角帽子を嵩上げしたように見られる。
それでは、大半のものは既に現存していないが、2011年に撮影したものを紹介していこう。w
まずは原型でない、東武公の園内に入った箇所にあるものからおまけとして紹介しよう。
ここは園内の木製ジェットコースター!(レジーナ―)ができた頃かそれができる計画が上がった際に、既に早い段階で建て替えられたのかと思う。
形状については、154KV設計らしい感じの鉄塔で、亀戸線を思い起こすような形状をしている。
だがこれは、亀戸線のごとく、上部部材を取り換えたような大正時代建設のものではない。
こちらは754号
さて、完全なる原型はこの先から続く。
こちらは全く嵩上げなどの改造がされていない、大正時代の完全なる原型のようである!
架空地線の支持部もこんな感じだ。
小さな三角帽子の嵩上げも全くされていない!
ここが755号鉄塔であった。
周囲には昔よくあった雑木林が結構生い茂る中、よく嵩上げされなかったと感心する。
木々からの接近限界距離は確保できているのか
田んぼがあるため、鉄塔番号札兼建設年プレートは見えそうになかった。
さて次を!
こちらは老番方面から撮影した!756号であった。
見ると、こちらは上部の部材は完全に真新しく取り換えた形跡がある。
唯、主柱材は当時物っぽい
また、その時に、架空地線支持の三角帽子も嵩上げさせたように見受けられる。
なお、鉄塔の最上部には、この写真の手前側に東京北線との交差併架鉄塔があるので、送電線の交差箇所があることを示す標識も付いていた。
こちらがその東京北線との交差併架鉄塔である。
猪苗代新幹線との交差点となったので、東京北線の鉄塔は高く、紅白に塗装されている。
上部の2導体の方が275kVの東京北線で、その下が今追跡してきた猪苗代新幹線である。
さて、猪苗代新幹線の原型が見えるのは、次にあるこちらの758号で最後となる。
この先については、現状、北鳩線(旧:猪苗代旧幹線)による同時4回線併架鉄塔が鳩ケ谷変電所まで続くので、見えない。
東京北線の併架鉄塔を超えた後にここで再び大正時代当時の原型となり、その後はまた北鳩線と同時併架するから、現状こちらの758号は近代的な紅白鉄塔に挟まれている。
そのため、架空地線も大きくアップダウンしていた。
こちらの758号の撮影時、丁度ご年配のおばあちゃんが立ち話をしていたのを覚えている。
この先に続く小さな農道に入って撮影していいか聞いたところ、OKとのことだったので、入れさせてもらった。
その後、その立ち話をしていた相手に「送電線のファンだってよ!」という大きな話声を聞いたのをなんとなく覚えている。w
ここでは、番号札兼建設年プレートが見えた。
大正15年(1926年)12月建設とある。
この時代は、東京都内で駒沢線や杉並線・・・足立線などの内輪線なる66kVが完成した頃とほぼ一致する時期である。
猪苗代湖の大きな水がめを利用した送電幹線による東京都内への電力供給は、この時代から大きく発展した。

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