谷村線(初代)

日本初の77kV送電線!

※建設は桂川電力・後の管理は東京電力

谷村線は、東京電燈株式會社(東京電力の前身)開業50年史によれば、国内初!7万7千ボルト(77kV)の架空送電線路だったようだ。
建設については、下記の絵葉書のごとく、かつて実在の桂川電力會社が受け持ったようだが、後の管理については東京電力に任せられたようで、廃止後の今もなお、山の中には多数の廃矩形鉄塔が除却されぬまま残っている。
現役時の姿については、当時は特別高圧ピンがいしを使用して架空送電線の支持を行っていたようだ。

谷村線(初代の矩形鉄塔)については、こうして一応絵葉書にもなったようだ。
今回はそんな絵葉書を奇跡的に!偶然にも入手できたのだった。これもきっと何かのご縁である。w名品だ。
絵葉書には、農村部を通る送電線らしい感じで描かれているのが見て取れたのだった。
それにしてもなんだか・・・こうして電線を新たに張ろうと絵葉書として残ったものと、現代では廃鉄塔しか見えない現実とは、なんだか複雑な心境だ。

現況について:こちらは随分前に廃止されてから、今もなお、相模湖南側の山中にかけて、数多くの廃矩形鉄塔が残っている。
とはいえ、つい最近になってから、個人所有の土地もあったのか、その土地がどうやら売却されたようであり、1基は除却された箇所もある。
その場所はこちら、国道412号沿いであった。
それからここでは、矩形鉄塔除却作業直前の鉄塔の下には、偶然忘れさられた?2つの懸垂がいしのようなものも確認できたのだった。
初代の矩形鉄塔による谷村線は、特別高圧ピンがいしの使用がメインであったと思うが、ここは偶然にも引き留め鉄塔だったのだろうか?懸垂がいしが落ちているのが見えた。
しかしそのがいしも当時物だとすれば、かなり値打ちがあったものかと思うのだが・・・果たして大正物だったのだろうか
そのがいしも恐らく今は、産廃として処分されたことだろう。T_Tあぁ悲しい。
なお、鉄塔のプレート(年式などが書かれた番号札)については、劣化により剥がれていたり、もしくは何者かによってはぎ取られたような箇所もあったり、建設年が確認できない送電塔が多数あったが、中には未だにプレートが残っている箇所もあったのだった。
その例を挙げれば、298号鉄塔である。こちらは唯一プレートが残っていたのだった。
唯こちらは劣化に伴い、建設年については大正の大の字だけで、明確な建設年は確認できなかった。

谷村送電線・298号廃矩形鉄塔の現況写真
自然に埋もれており、鉄塔の中からは木が生えている。

上部は、今ではとても送電線は張ることができない状態であることがうかがえる。
それにしても、大正時代当時は、木はまだここまでは生い茂ってはいなかったのだろうか?

 

↑そして、これがその298号で確認できたプレートだが、下半分は木々から滴り落ちた雨水によって錆つき、既に文字が見えない箇所もあった。
なお、谷村送電線の298号廃鉄塔は石老山という登山道の途中にあるが、ほとんど木々に埋もれているため、よ〜く目を凝らさないとみることができない。
しかしGoogleマップには今もちゃんと鉄塔の位置が示されている。(中には示されていない箇所もある。)
それにしても、プレートの字体には時代を感じる。

それにしても、せいぜい歴史ある廃鉄塔なのだから、特別高圧ピンがいしだけは残して欲しかった。
それだけあっただけでも結構見た目が変わる。

普通の形はこちら!

川横断の直前にあった両手を広げたものはこちら
これはどうやらこの先で、2回線ある送電線を1回線ずつ振り分けていた名残だなぁ

それがこちら!
どうやらこの先の川の横断箇所はロングスパンになるから(普通の矩形鉄塔では強度不足になるから)
1基ずつ別々の小さな送電塔を用意して、そこに1回線ずつ振り分けて支持していたように見られた。
そしてGoogleマップを見ると、反対岸にも同様のものが1基ずつ(それは1基ずつずらして配置)残っているようなのだが
落石箇所が多く道路が通行止めとなっているため、撮影はできずに終了した。

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