青井線と花川線

題名には、隣接する花川線のタイトルもつけたが、ここでは特に、青井線を中心に掲載していく。
なお、ここから先の同電線路については、管内電気事業要覧 第6回 東京通信局編 昭和4年7月18日発行に付属の管内送電線路図(2万ヴォルト以上) 昭和4年3月現在調を参考にした!
それを眺めていてわかったが、どうやら青井線については、片品川線からず〜っと送電線が張られていた片品川線系列の長距離送電線路だったように思える。

青井線の経過地については、起点の花畑変電所から、途中片側の1回線を別の送電線と接続させながら、江戸川変電所までを結んでいる。
続いて花川線については、同じく花畑変電所を起点としているが、行き先については、途中、江戸川変電所を起点とした隅田線と接続され、東武スカイツリーラインの鐘ヶ淵駅付近にある変電所までの区間を結んでいる。
なお、送電塔の形状については、青井線については、通常の四角鉄塔ではなく矩形鉄塔がメインであるが、建て替えられていないものについては、一部、大正12年10月建設のものを確認している。
なお、その大正12年10月建設というのには引っかかるものがある。
それは青井線の次項で紹介の花総線と送電塔の建設時期が同時期であることだ!
そうなると、青井線は花総線の元ルートであったことが考えられる。
(但し、これは恐らく、利根発電会社と東電が合併してから間もない、大正12年頃の送電線再建時による送電塔であろうかと思われる。)
続いて花川線の送電塔についてだが、こちらは四角鉄塔に次いで、矩形鉄塔も見かけるといった感じである。
こちらは、年式については昭和35年が目立つ。
さてそれでは、青井線、花川線の両方を掲載していこう。

青井線(写真左)とそれより大分後に建設された花川線(写真右)
部材が少ない方が古い。一目瞭然!
そして、写真右側の花川線で奥に見える上部送電線通過の形跡は、隅田線の旧ルートか?このエリアも江戸川変電所(←江戸川というが、所在地は江戸川区ではなく葛飾区)ができてからは大分送電線の位置変えがされたようである。
gooの航空写真を見ればおわかり頂けると思う。

ここが偶然残ったのは、まだ区画整理がされていない田畑が多かった昭和20年代以降、偶然、公園として周囲の道路が整備されたからである。
鉄塔は丁度、2つの道を挟んだ公園の間に配置されたのであった。
これがもしも家だらけの場所になってしまっていれば、なくなっていたことであろう。
だが、最近その付近には広大な更地ができたため、もしかするとマンションがまた建ち始めて建て替えが行われる懸念がある。

唯一残った矩形鉄塔なる青井線の建設年は、大正12年(1923年)10月!!
青井線の原型も今やここだけにしかない!

反対側はこんな感じだ。

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