弘明寺線

弘明寺線は、本牧線のページでも紹介させて頂いた通り、本牧線42号鉄塔が起点となっており(2回線の本牧線より分岐)、そこから弘明寺変電所(配電用変電所)までを結ぶ送電線である。
なお、弘明寺線が竣工したのは昭和31年(1956年)7月のようだ。
また、送電線としては珍しく、架空地線がないのが基本となっている。(最近建て替えれたものは除く。)
元々南下した海寄りの地域は、そこまで雷害の発生頻度が少ないためか、張らないものもあったようである。
ちなみにこれは配電線も一緒である。
張らない理由については、他には塩害によってワイヤーが断線しやすいからという影響もあるのだろう。
しかし配電線の方では、架空地線に変わって遮蔽線(しゃへい線)を張ったものも見られた。
それでは見て行こう。

弘明寺線の起点は、本牧線42号鉄塔が起点となっている。

ここから2回線の弘明寺線は分岐される。

弘明寺線については、この時点で既に架空地線はない。
こちらは本牧線から分岐された直後にある弘明寺線甲-2号である。
ちなみに乙-2号については、木に隠れており、撮影できなかった。

看板はこんな感じ。

飛び飛びだが、今回は10号から見て行く。
比較的最近建て替えられた(といっても昭和50年代頃だろうか)10号〜11号間は
やたらと背が高くなっており、周囲にある構造物よりも高いため、さすがにこの区間については、架空地線を張ったようだ。

こちらは弘明寺線11号

続いてその次にある12号は、横横道路の上部を通過のため、高くなる。
しかしこれは、弘明寺線の方が古いはずである。

なお、弘明寺線12号については、横浜横須賀道路の六ツ川料金所の北西方面に立っている。
そのうち、ここで左上に見えるのは13号である。

他の古い送電塔と比較すると、弘明寺線は、上部の部材は結構狭くしたように見られた。

横はこんな感じ。
見た感じ背が高いのではなく、小高い山の上に立っているから高く見えたようだ。

さらに反対側

上部の形状は、正しく昭和の形!
昭和30年代頃までは、まだこういう架空地線支持の三角帽子のない形が主流だった。

ここでプレートを発見!
年式は予想通りに古く、昭和31年(1956年)7月とあった。

こちらは当時の原型であろう。
比較的最近、防錆塗装を行ったようで、送電塔は綺麗であった。

続いてこちらが弘明寺線13号
ここは建て替え済みのようで、架空地線を張っているのが確認された。
弘明寺線竣工当時の昔と今と比較すると、昔はそう豊かではなかったから、当時は経費節約のため、架空地線を省略していたようなこともうかがえたのだった。

続いてこちらが14号
14号より先については、またもや昭和の原型が立ち並ぶから、架空地線はまたここで引き留めとなっていた。

飛び飛びだが、こちらが弘明寺線16号

なお、こちらについては、架空地線支持の三角帽子を少しだけ嵩上げしたように見られた。

腕金の内部の部材が少ないのが、いかにもあの頃らしい構造である。

反対側はこんな感じ!

架空地線を支持する付近については、やはり、何かしら後で改造をしたようなことがうかがえた。

よって、年式は10年若く、昭和41年(1966年)12月とあった。
これには思わず。架空地線を張っていなかったこともあり、一時期雷害を意識された頃もあったのかもしれない。

続いてこちらが18号
付近は山の上に住宅が立ち並んでいるから、海などは特に見えない。

今度は耐張鉄塔バージョンの原型だ。

送電線を引き留めている懸垂がいし連も、ここでは少し少ない気がする。
これは近代のものでは、2列ずつ懸垂がいし連を配置させて送電線を引き留める例が多いが、こちらは1列のみしかない。

こうして見ると引き通しのようにも見えてしまうが、実際はそうではなく、両引き留めである。

なお、ここも小高い山の上に立っていることもあるからから、架空地線を支持する付近には三角帽子を後から追加されたようである。

横はこんな感じ。

懸垂がいし連はやはり少ない。

こちらも頂上に改造をされたように思えたが、年式は昭和31年7月となっていた。

前へ     次へ

ゴロンディーナーのちょっとした送電線の鉄塔記録 トップに戻る

※当サイトは各電力会社・その他の企業とは一切関係ございません。

※当サイトの内容、文章、画像等の無断転載・無断使用を禁止します。
最近、当サイトに掲載中の画像が個人ブログやYahoo知恵袋等へ無断転載される事案が多発しています!!
無断転載は完全な著作権侵害となりますから、必要な方は必ず当サイトメールフォームよりご連絡下さるようお願い致します!
(当サイト内の内容をスマホやPCでスクリーンショットをして、それを公衆掲示板やツイッター等のSNSに投稿する行為も同様です!!固くお断り致します。)


inserted by FC2 system