西武沼袋線

(完全除却済み。西武新宿線の線路や沼袋駅舎の地下化に伴い、送電線も一緒に地中化された模様)

西武沼袋線は、野方変電所(東電)から沼袋変電所(西武鉄道)までを結んでいた送電線である。
こちらも大分古いものだと昭和2年(1927年)建設があるから、当初は野方線と杉並線(内輪線)が接続されている四角形に鉄鋼を組んだ開閉所らしき設備から、西武沼袋線が分岐されていたものかと思われる。
だがその後、戦後まもなくは、2つの内輪線が出入りしている野方変電所が竣工し、そこを起点としているようだ。
現在は、起点の送電塔については、野方変電所の少し東側のところに鋼管単柱鉄塔があり、そこで送電線を立ち上げている。(2023年には除却済み。)
しかしその後、近くを通る西武新宿線の地中化工事に伴ってか、送電線諸共、一緒に地中化されたようである。
Googleのストリートビューでは、2023年には既に最終鉄塔を残すのみで、各送電塔の除却工事が始まっているのが見えた。
ちなみにかつては、西武沼袋線の最終鉄塔の先(沼袋変電所以降)にも、目白線という送電線が西武新宿線の線路の上部を門型鉄塔となりながら、落合変電所までを結んでいたようであるが
その方もやはり、途中から地中化したようであり、2010年には除却されたようである。
しかしここで思った、目白線という電線路であるから、終点は目白変電所であろうものかと!
戦時中頃までは、どうやら落合変電所から目白変電所にかけても、送電塔があったように見られたが、この方は戦後間もない高度経済成長期には、除却されたようである。

都市化が進み、現在は内輪線からは直接、架空送電線のまま分岐されているような状況は見て取れないが
野方変電所の少し東側へ行ったところで、突如その送電線が姿を現す。

それが西武沼袋線だ。

しかしこの送電線路は、途中の矩形鉄塔のある区間では、昭和2年建設を確認している。
起点の送電塔については、大分早い平成4年には建て替えられたようだ。

それからその次の2号鉄塔も

がいしがV吊であるのに、やや近代構成
唯ここは、架空地線の支持が上相の腕金と一体型でないこと、三角帽子でないことには多少の違和感あり。
何か四角形の形をしたもので支持していた。

2号鉄塔は、どうやら昭和41年(1966年)9月に建て替えられたようだ。

しかしその次の矩形鉄塔からは、当時物が出現!

矩形鉄塔の形としては、他の古いものと見比べても大差ないが、変わっているのはV吊されたがいしと送電線の引き通し位置である。
V吊にされた懸垂がいし連が塔内に収まりきらなかったため、ずらしたのだろうか?

プレートはこんな感じ。
ここより昭和2年(1927年)9月建設が見えてきた。
これはどう考えても、大正15年や昭和元年に建設された内輪線から分岐されているものであったことがうかがえた。

次の4号鉄塔も矩形鉄塔であったが、こちらも耐張となった懸垂がいし連の取り付け位置が変わっていた。

通常ならばこちらもがいしは塔内に取り付けると思うが、少し左側へずれての取り付けとなっている。
まぁここは、この先で左カーブしているから、そうであっても不思議ではないか。

こちらのプレートはズーム撮影できなかったが、年式は変わらずか?

次の5号鉄塔も、がいしは同じく少しずれた位置に取り付けていたが

下の方の主柱材が、少しふっくらと広がっているのが特徴だった。

続いてその次の6号鉄塔からは、西武新宿線の線路上を通過するための門型鉄塔にあわせるために振り分けた2基数の送電塔が見えてきた。

ここでは左側が甲の6号鉄塔となっていた。

プレートも辛うじて、ズーム撮影で確認できた。
こちらも変わらず、年式は昭和2年9月とあった。

続いてその向かいが、乙-6号鉄塔であろう。

この方は、周囲が家に囲まれており、プレートは確認ならず。
なお、架空地線については、こちらに寄せたようである。

続いてその次が7号鉄塔
このすぐ先には西武新宿線の沼袋駅舎があるため

門型鉄塔の幅は広くなっていた。
なお、今後は同駅舎は地中化するのだそうだ。

そして!

西武沼袋移線は、周辺環境を考慮した環境調和柱なる8号の鋼管単柱鉄塔で終点となっていたが

2009年までは、これよりももっと奥にも、目白線という送電線が続いていたようである。
だがその方も、2010年にはストリートビューで送電線の撤去が始まっているのが見えた。
ちなみにその方は、西武池袋線の線路上を通過しながら、西武鉄道の落合変電所へ接続されていたようであるが、目白線というぐらいだ。
戦時中頃までは、それよりもっと先にある東電の目白変電所へ続いていたように見られた。
当時の航空写真では丁度、落合変電所から目白変電所へ向かう送電塔のような軌跡を確認している。

しかしついには、西武沼袋線にまで地中化の波が来てしまったというわけか
なお、ここで引き下げられた送電線は、西武鉄道の沼袋変電所へ引き込まれているみたいだ。

その引き下げ方法はコンパクト!
ブッシングが腕金にあるのが見て取れる。

こちらは昭和57年(1982年)には建て替えの模様。
起点とものと10年程離れている。

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