田代幹線 357号他

田代幹線の送電線の起点は、山梨県早川町にある早川第三水力発電所である。(早川第三発電所へは、他にも電源供給している送電線もある。)
送電線は昭和2年(1927年)の竣工で、当時は直接、川崎変電所までを結んでいた。
送電電圧は、154kV(15万4千ボルト)である。
なお、途中の区間では、戦災被害を受けたのだろうか、一部では昭和25年(1950年)建設のものも実在している。 今回は特にその昭和25年建設の区間を見て行く。

JR御殿場線の谷峨駅から田代幹線357号へ行くには、東名高速道路が左ルートと右ルートで分かれる付近にある、大野山へ続く登山道を上って行くことで向かうことができる。
こちらはその登山道を上がる途中で撮影したものだ。
なお、ここでは、右側に写る酒匂川線にも歴史がある。
当初はこの送電塔も谷村線で見かけたような矩形鉄塔であったようだが、それは大分前に建て替えられたようで初代は現存しない。
その後は昭和30年代頃に2代目に建て替えられたようだが、それもまた3代目に建て替えられようとしている。
ここではその3代目のものがいくつか見えた。
そして写真中央に見える水管は、峰発電所のものである。

今回の撮影に関しては、谷峨駅からアクセスすることになった。

現場へは後少し。

到着!
建て替えを懸念していたが、この区間はご覧の通り、綺麗に最近塗装がされたので、まだまだ残りそうだ。

さて、ここでプレートを見て行く。
田代幹線の竣工年については、既に前のページで昭和2年であるのを確認しているが、ここは違っていた。
昭和25年(1950年)10月建設とある。
送電塔の形状については、昭和初期のものとはなんら変わりはないから、こちらも一応昭和2年に思えるが、いかがだろうか
日本発送電時代に所有が変わって、プレートを差し換えたとでもいうのだろうか
他に考えられるのは、戦災と1944年(昭和19年)の東南海地震だ。
この時に再建されたのだろうか
昔の送電線路図を見る限りでは、昭和初期には既に川崎変電所まで大きな太い線で続いているのが見えたから、途中から奥の区間は延線されたというわけではないように思える。

なお、ここでは、田代幹線を富士山と一緒に望むこともできた。
右手前に見えるのは356号だ。

356号の拡大
奥の355号も道路わきにあって近づけそうだから、後でそこにも行ってみよう。

田代幹線の奥の山には、後から建設された複導体の大きな幹線系も見えた。
何線だっけか?比較的新しいものは興味がないからわからない。w

355号に到着!
ここではその周囲のものも合わせて見て行く。

355号側から356号方面を望むとこんな感じだ。

奥には耐張鉄塔版の田代幹線358号の旧鉄塔も見られた。
田代幹線については、全ての旧鉄塔で腕金に傾斜が見られた。
傾斜のある腕金に関しては、他に群馬にある上毛幹線でも確認しているが、同電線路では、I吊懸垂がいしよる引き通し区間では、上相の腕金のみ直線となったものによる発見が多かった。

一方こちらは、生い茂った木々のために建て替えられたと思われる354号だ。

最後にもう一度355号を

建設年については、特に変わりなかった。

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