浮島陸線

浮島陸線は、東電がかつて管理していた川崎発電所(発送電の分離で、現在は別の企業が管理)を起点とする送電線である。
この送電線は見た感じ、主に首都高速・神奈川6号川崎線沿いにある京浜工業地域へ送電するものだそうだ。
なお、送電線については、当初は4回線で運用していたようだが、途中から下段の2回線は廃止となり、現在は上部の2回線のみが現役となっている。
(その4回線については、首都高速・神奈川6号川崎線の突き当りで、2回線ずつ北西方面と南東方面へ2手に振り分けられていた。)
また、送電線の分岐方式も少し変わっており、各需要家へ2回線を分岐する場合は、まるごと2回線を分岐するのではなく
片回線は必ず、浮島陸線を終点までぐるっと一周してから需要家へ引き入れるものも見られた。(1周する間も一度や二度は、途中の需要家内へ一旦引き込まれる。)
しかし1回線のみの分岐の場合はこの限りでない。
恐らくこれは2回線中、片回線の故障時に、健全回線より連系を取れるようにしていたのかと考えられた。
支持物の構成については、序盤は普通の四角鉄塔が基本となっているが、首都高速・神奈川6号川崎線沿いでは、線路の上部を通過するから、そこだけは門型鉄塔となっている。
なお、浮島陸線の門型鉄塔は、他と比較するとかなり頑丈な構造となっているようで、結構ごつい感じであるのが見て取れた。

※浮島陸線の起点については、川崎発電所内にあるため、撮影できない。
辛うじて撮影できたのは、4号鉄塔からだった。

※なお、2012年の撮影当時は、浮島陸線は合計4回線が張られていたが、2020年には2回線に減らされている。

それから京浜工業地域(川崎)の送電線は、架空地線がないのが特徴であったが
さすがに大師運河の横断地点は、やたらと鉄塔高が高くなっているため、そこには架空地線が施設されているのが見える。
それにしても、そこにあるボールのようなものはなんだろうか

架空地線については、6号鉄塔を超えるとなくなる。

なお、送電線の分岐手法については、特殊である。
下段の送電線の分岐箇所であるが、よく見てみると、左回線については、ジャンパー線で接続されていない。
ジャンパー開放しながら、片回線より2回線を分岐している形となっている。
これは、反対側の1回線については、一度ぐるっと、浮島陸線を終点まで一周してから回り込んできているように見られた。
なお、終点までぐるっと一周する場合も、途中にある各需要家の変電所に、1度か2度、送電線は引き込まれる。
つまり連系線に見られる。
片回線故障時は、できるだけ事故区間を除いて送電できるようにしているのだろう。

続いて12号鉄塔でまた連系を取っているような変わった分岐が見て取れた。
このアングルでは、右側回線では、本線はジャンパー開放しながら、後ろと前に来ている1回線よりそれぞれ2回線を分岐している。
次いで左回線については、ジャンパー開放せず、2回線を分岐しているかのように見えるが、見た感じこちらは、後ろの1回線の引き込み線はジャンパー開放されている。
どうやら1回線のみの分岐の場合は、本線のジャンパー開放はせずに、普通に分岐するようだ。

続いてこちらが15号(左側の大きい門型鉄塔)

こちらも2回線を分岐しているから、本線のジャンパー線は開放している。
これはどこかの需要家で事故が起きた場合を想定して、わざわざ本線から一度切り離して、送電線を引き込んでは引き出しているように見られる。

ここで、まずは最上段にある2回線を追跡してみよう。
最上段の2回線については、ここで北西方面へ振り分けられる。

北西方面を少し進んだところにある22号
こちらは2連の門型鉄塔で耐張鉄塔だ。

ここまでごついと、割と新しい感じにも見えるが、年式は変わらず、こちらも昭和37年(1962年)3月を示している。
この辺の工業地帯は、航空写真を見た感じ、高度経済成長期には埋め立てを完了しており、その頃から操業を開始したように見られる。

飛び飛びだが、こちらは24号
なお、写真撮影については、何かカメラのモードを間違えてしまったようでミスショット
写真はこれしかないので気にせず掲載する。

続いてお次の26号は、車から撮った写真しかなかったため、色に変化あるのは、容赦願いたい。

その前におまけで、25号の反対側も

26号については、2回線とも分岐しているのが見える。
一度需要家の変電所へ引き込まれるが、予備の片回線については、ここで1周をしたように見られる。
なお、その次の27号については2回線とも死線のようである。
そこはバランス維持のために施設したように見られた。

終点の27号については、地上から撮ったものがあった。

この付近には需要家はなく、ここでは電気の通っていないジャンパー開放された死線を引き留めているだけとなっている。

さて、ここでまた15号へ戻って、今度は南東方面の浮島陸線(下段2回線の方)を見て行く。
こちらはわずか4基で終点となる。
※なお、この区間の送電線については、2020年確認現在、どうやら奥の需要家が特別高圧契約を打ち切ったようで、送電線は取り外されている。
門型鉄塔については、途中まで残っている。

こちらは浮島陸線17号

1度か2度、各需要家内に1回線の送電線を引き込んだ後は、号線番号も変わるようで、ここには10号区とあった。

1つ飛ばして終点間際の19号

ここでは両回線とも送電線が下りているようにも見えるが
この2回線も途中でジャンパー開放しながら片側1回線より2回線を分岐している箇所を確認している。
送電線の折り返し地点といった方がいいのだろうか

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