蔵前線を追跡 その2

さて、北千住線とは、蔵前線3号鉄塔より合流(併架)する。

ちなみに、花畑変電所から立ち上がる、66kVの北千住線の1号鉄塔はこんな感じだ。

こちらの年式は若く、昭和62年(1987年)6月とあった。
この箇所については、比較的最近、建て替えがあったようだ。
なお、北千住線の送電塔については、この先、蔵前線との併架を終えた梅島変電所の先では、送電塔嵩上げ済みのもので、昭和15年(1940年)建設もある。
この送電線については、元を辿れば、かつてのおばけ煙突なる千住の火力発電所で発電した送電線が花畑変電所へ向かって、逆流していたようなこともうかがえた。
しかし現在は、千住火力発電所は随分前に廃止となっているから、電気の流れとしては、花畑変電所から北千住変電所へ送電されている。
まとめるとこうだ。
架空送電線路部分である蔵前線は、梅島変電所で終点となっている。
次いで北千住線は、北千住変電所で終点
ここは千住火力発電所の跡地である。(2009年現在)
なお、梅島変電所については変電所ごとなくなっており、今は付近を北千住線のみが通過している形となっている。
水力発電所がメインであった水主火従時代は、水力発電所の渇水期に備えて、東京23区東部にもいくつか火力発電所があった。
例を挙げれば、北千住発電所(現:北千住変電所)や浅草火力発電所(現:蔵前発電所)などが相当する。

3回線の蔵前線は、環七通り横断後に北千住線と併架される。
北千住線については、ここより小さくドナウ配列となり、梅島変電所を超え、その先、北千住変電所までを結んでいる。

続いて、蔵前線3号鉄塔も年式が若かった。
こちらも昭和62年(1987年)とあった。
しかし環七通りができた直後に建て替えたわけではないようだ。
この辺りの環七通りができたのは、昭和44年(1969年)頃である。

さて、ここで送電線の豆知識をまとめてみた。
送電塔の塔脚(下の方には、最初の起点である花畑変電所でも見られた通り、送電塔の上部のどの位置に、何線の何号線が通っているのかを示すプレート(回線番号札)が取り付けられる。
これは巡視を行う際、何もないとわからなくなるからである。
さらに詳細をいえば、塔上(送電線のある付近)には、タブレット(いわば関所でいう通行手形のようなもの)というプレートもある。
工事を行う際は、本当にその送電線があっているのかを確認するため、そのタブレットの中に決まった形のプレートを差し込むこともある。
まぁ、それはさておき、再確認するが、蔵前線にはこちらの通り、送電塔上部には、蔵前線が3回線、その下に北千住線が2回線通っている。
それを塔の下でも見分けができるようにするため、上記写真のようなプレートも各塔脚に取り付けられる。
上記写真では、まず上部に蔵前線の1号線と2号線が通っていること、その下には、北千住線の1号線が通っていることを表すプレートがあった。

続いて右側はこんな感じだ。
先程と同じように、こちらには上段のプレートに蔵前線の2号線と3号線が通っていることを表すプレート、その下に北千住線の2号線が通っていることを表すプレートがある。
なお、蔵前線の2号線については、送電塔の中心点にあることから、左右の塔脚にプレートがあるように思えた。
ちなみに電線路名については、送電線を管轄する支社によって、明記しない場合もあるようだ。

話が長くなってしまったが、ここで蔵前線4号鉄塔だ。
蔵前線部分については、引き通しだった。
耐塩懸垂がいしの配置については、1号線と3号線については、I吊懸垂であるが、中央は変わったV吊であった。

中央のV字吊りがはっきり見える写真はこんな感じとなった。
送電線の幅が少し広いためか、架空地線は2条となっている。

それから塔上には、鳥が巣を作らないように色々の対策が練られていた。
1つは何やら針金状のものも見えるが、もう1つは赤と銀をミックスさせたプロペラも見える。
塔上は風が強いから、自然の風に任せてプロペラを回している感じなのだろう。

4号鉄塔のプレートについては、どうやら住宅側を向いているようで、確認できなかった。
その代わりとして、看板を掲載

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