古い懸垂がいしコレクション!

ここからは古道具屋などで買った、他では中々見ることができない貴重な懸垂がいしを紹介しよう。

主に154k以下の架空送電線路の支持で使われる254mmの標準型の懸垂がいしについては、早くて大正時代には既に普及していた。
懸垂がいしの使用については、日本初の115kV(11万5千ボルト)の猪苗代旧幹線が初のようである。
特別高圧ピンがいしに代わって普及したのが、現在主流の懸垂がいしといえよう。
電線支持点の裏面にあるヒダの枚数については、4枚ヒダが主流となったが、大正当時は一時期、5枚ヒダもあった。

・1927年(昭和2年)製の254mm懸垂がいし

1927年(昭和2年)9月製造の254mm懸垂がいし
日本ガイシさんの製造品である。
かなり古いものだと、クレビスキャップにも製造メーカーのロゴが刻印されているものもある。
それからフラッシュをたくと、少しベージュ(コーヒー牛乳)っぽい色合いに見えるのは気のせいだろうか
ベージュ色(コーヒー牛乳色)の懸垂がいしは、相当な希少価値がある。

懸垂がいし裏面にあるヒダの枚数については、大正時代は5枚ヒダもあったが、その後は4枚ヒダが基本となった。
ちなみにそれは、製造メーカーによっては、昭和初期でも5枚ヒダ仕様を製造していたところもあった。

・1934年(昭和9年)7月製の254mm懸垂がいし

地震が来ても壊れぬよう、カラーボックスに収納

日本ガイシさんでは、昭和初期に入るとトンネル釜によるがいしの焼成が主力となった。
この頃の製造品より、製造メーカーのロゴの上部に、トンネル釜で焼成された証である「TUNNEL KILN」が印字されるようになった。
※現在の製造品は、この印字は廃止

・皇紀2606年9月製の254mm懸垂がいし

続いてこちらも同一製品となるが、表記方法が珍しい!

まず、製造年であるが、皇紀表記に変わった!
皇紀2606年は1946年(昭和21年)9月製である。
皇紀表記の懸垂がいしについては、太平洋戦争が終結する頃まで製造されていたとあるから、これは珍しい。
終戦後の製造品である。
そして、トンネル釜で焼いたというTUNNEL KILNの文字もあり!

クレビスキャップはボコボコであったが、メーカの刻印がやはりある。

なお、サイズについては、こちらも同じく254mmで一緒だった。

一方こちらも同じく、皇紀表記の254mm懸垂がいしとなるが、こちらは、クレビスキャップにはメーカーの刻印はなかった。
これまた数か月違うだけで、細かな箇所で違う部分もあったようだ。

製造年は、皇紀2606年(西暦1946年・昭和21年)11月製である。

以上、これで日本ガイシさんの製造品の紹介はおしまい。



引き続き、次は、既に高電圧がいしの製造を終えており、入手しがたい松風工業製の懸垂がいしを紹介しよう。
松風工業製もまた製造年の表記の仕方に色々ある。

・松風工業社の皇紀2596年(昭和11年)製造の254mm懸垂がいし

古い懸垂がいしの場合は、製造社のロゴと製造年の印字が、クレビスキャップと並行になっていないことも多い。
少し曲がっているのが見て取れる。

サイズは同じく、154kVの送電線まで使用されていた、幅254mmのもの
ヒダの枚数は4枚である。
しかしこちらは、他社製のものと比較すると、色は大分白いように見える。

松風工業社のロゴは、風のマークが特徴である。
中には、かつて製造工場のあった京都(KYOTO)も文字があるものもある。
なお、製造年については、下二桁の96年のみがある感じとなっているが、これは皇紀2596年の意味合いかと思われる。
ちなみに西暦にすると、1936年(昭和11年)製造ということになりそうだ。

相当古いものであるということは!クレビスキャップに刻印がある時点でも見分けが付く。

・松風工業社の1949年製の254mm懸垂がいし

続いてこちらは、同社製造品で、1949年(昭和24年)12月の製造品である。

古い製品は、やはり製造メーカーのエンブレムと製造年は、曲がった感じで印字されている。

・松風工業社の1952年(昭和27年)製の254mm懸垂がいし

同じく同社製造品で1952年6月製の254mm懸垂がいし

こちらの製造年もそこそこ古く、1952年(昭和27年)製造とある。

最後は、地震にやられても大丈夫なように、ガラス窓付きのカラーボックスに収納w
(博物館をやるかもしれないんでwいやでも金ないから、ネット公開にするかな)
むき出して、物が落ちてきて欠けられては困る。
この箱代だけでも、軽く3000円超えたり越えなかったり、お金がかかる。w


<その他・180mm懸垂がいしや鉄道の電車線路用など>

・180mm懸垂がいし

180mm懸垂がいしは、33kV以下の他、鉄道の架線の支持用などでも使われる。

・180mm懸垂がいし(電車線路用)

こちらは電線支持点のピン金具の形状を見ると、確実に鉄道の電車線路用である。

・その他・鉄道の電車線路用

新幹線用では100mm懸垂がいしもあるようだが、これはそれとは違うように見える。

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