相武線8号・唯一の矩形鉄塔

(内輪線)

相武線は、7号鉄塔の次で川崎火力線と、JRの武蔵境-新鶴見間送電線の線下を通過するため、送電塔の背が低くなる。
低くなれば、送電塔は通常の四角鉄塔では支持しきれない。
そのため、この箇所では唯一、内輪線としては珍しく、矩形鉄塔(杉並線の矩形鉄塔とは違う種類)を採用したものが確認できた。
それがまた山でよく見かける、各1回線ずつを水平配列で支持した矩形鉄塔となっている。

相武線は、7号鉄塔の次で川崎火力線とJRの武蔵境-新鶴見間送電線の線下を通過するため、背が低くなる。

それが確認できるのは、相武線の8号-甲と8号-乙鉄塔である。

建設年については、こちらも変わらず大正15年(1926年)12月とあった。
それにしてもこの形!こういった1回線しか支持できない矩形鉄塔は、豪雪地域の十石峠辺りの黒路幹線の送電塔を思い出す。

配電柱と比較しても、2つの矩形鉄塔の高低差は、それほど大差ないのが見て取れる。
配電線の方は、送電線の高さが低くなっているから、ここではやむなくCVTケーブルにしている。

近距離写真はこんな感じ。

向かって左側が、相武線8号の甲

大正時代建設の証明は、ここにありけり。

向かって右側が、相武線8号の乙

なお、川崎火力線とJRの武蔵境-新鶴見間送電線の線下の通過区間は、架空地線は張られていない。
川崎火力線の方が背が高くなっているから、この方は張る必要性はないのだろう。

続いて通過後はこんな感じ。
ここで通常の張る位置に戻していた。

なお、こちらの送電塔は一度建て替えたのだろう。近代構成の送電塔であった。

<8号鉄塔のその後>

相武線8号の甲と8号の乙については、相武線7号鉄塔が建て替えられた影響で、谷底地点で送電線を支持するかのような形となっていた。

そのためか、ここでは下にも懸垂がいし連を取り付けた、にわかなタイダウンがいし装置へ変更されていた。
タイダウンがいし装置は、山間の送電塔で見かける例が多いから、これは珍しい!
ちなみに矩形鉄塔によるタイダウンがいし装置は、黒部幹線ぐらいでしか見た例がない。
ま、黒部幹線は154kVで、こちらは66kV仕様となるがな。

他に対策としては、耐張鉄塔に変更することもいいかと思うが
それだとタイダウンがいし装置よりも、余分にがいしを購入したり、引き留めクランプを取り付けたりする必要性が出てくるから、ここは引き続き、中相のみタイダウンがいし装置とした引き通しにしたようだ。

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